高齢者ドライバーの死亡事故の原因と対策方法
昨今、毎日のようにニュース等で頻繁に耳にすることと言えば、
高齢者による死傷事故が取り上げられています。
※特に、75歳以上の高齢ドライバーの交通事故死が
際立って目立ちます。
2015年、警視庁のまとめによりますと、
分析データにより死亡事故が3,585件。
このうち、75歳以上の高齢ドライバーが、
第一当事者だったのは458件に上ります。
全体の約12.8%です。
では、事故のワースト原因別は?
1位 アクセルとブレーキなどの操作ミス 134件(29%)
2位 左右を確かめない安全不確認 106件(23%)
3位 漫然運転等 87件(19%)
4位 脇見運転等 41件 (9%)
5位 判断ミス 37件 (8%)
※時間帯別では圧倒的に昼間の事故が
全体の83%を占めました。
また、事故のワースト状況別では?
1位 自動車との衝突 204件(44%)
2位 棚や電信柱などに衝突する単独事故 178件(39%)
3位 歩行者をはねた 68件(15%)
これに対して、75歳未満の死亡事故は3,127件
では、事故のワースト原因別は?
1位 左右を確かめない安全不確認 804件(26%)
2位 アクセルとブレーキなどの操作ミス 464件(15%)
事故のワースト状況別では?
1位 歩行者をはねた。 183件(40%)
「アクセルとブレーキなどの運転操作ミスが原因」だった事故が、
75歳以上の高齢者は75歳未満のドライバーと比較すると
約2倍にあたることが立証されました。
主に考えられる理由としては、加齢による身体機能の衰えが
一番の要因とみられています。
その中で、最もクローズアップされているのが、
75歳以上のドライバーで、
死亡事故を起こした人のおよそ半分が
「認知機能低下のおそれ」に該当していました。
これに伴い、平成29年3月12日から道路交通法の改正により
認知症対策が強化される運びとなりました。
改正点を取り上げてみます。
※免許を更新手続き時・・75歳以上の高齢者は、認知機能検査で
「認知症のおそれ」があると判定された場合、
違反の有無にかかわらず、医師の診断を
受けなればならなくなります。
平成27年 に認知機能検査を受けた人の内、
認知症のおそれがあると判定された人は
およそ5万4千人(3.3%)でした。
このうち、医師に受診する人がおよそ1500人だったのに対して、
今後はおよそ5万人の方が診断を受けることになります。
つまり、認知症の方は発見しやすくなる事が想定されます。
また、免許を更新時だけでなく、一定の違反行為をした場合にも、
臨時の認知機能検査を受けなければなりません。
この場合も同様に認知症のおそれと判定された場合は、
医師の診断を受けなければならないのです。
もう1つの対策強化として、高齢者講習の内容も高度化されます。
今までの高齢者講習は認知機能検査の分類に応じて、
実際に車を運転して指導 方法を変えるだけでした。
平成29年3月12日からは「認知症のおそれ」「認知機能低下のおそれ」
と分類された人は、およそ3時間の高度化された講習を
受けることが義務付けられます。
※医師の認知症と診断される前であれば講習を受けられます。
運転している状況を撮影して、
後で画像を見ながら運転の個別指導をするカリキュラムとなります。
しっかりした手厚い内容になります。
反対に、「認知機能低下のおそれ無し」と分類された人は、
およそ2時間の合理化された高齢者講習を受ければ
免許の更新手続きがスムースに出来ます。
高齢者ドライバーの事故が多発しているなか、
自分自身は交通ルールを厳守していても、
相手から衝突してくるケースも想定しなければなりません。
万が一に備えて自動車保険の加入、
または見直しを検討している方は
ぜひとも比較してみることをお勧めいたします。